新人薬剤師の処方鑑査と服薬指導2【ニキビ薬】

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今回の処方鑑査のポイント

 今回の処方鑑査POINT 

副作用歴の確認について
過酸化ベンゾイルについて

1副作用歴の確認について
当たり前のことですが薬剤師は薬剤の安全使用のために充分な聞き取りとチェックを患者に行う義務があります。
徹底した聞き取りとは問診票・処方受付時の声かけ・鑑査・投薬時に漏れがないように繰り返し確認しましょう。

今回のケースでは以前にベピオゲルで顔面膨張の副作用歴があったためデュアック配合ゲルが処方されました。
デュアック配合ゲルは過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンの合剤となります。ベピオゲルの成分は過酸化ベンゾイルの為、同じ成分が含まれていることからデュアック配合ゲルの使用について疑義照会する必要があります。

外用剤は内服剤と比較して致命的な副作用となるリスクは多少低い認識の方も多いかと思いますが、刺激感が強いなどはコンプライアンスに大きく影響しますし、顔面の傷が残るといった患者にとって致命的な結果に繋がることもありますので、”外用だから”といった考え方はやめてください。

2過酸化ベンゾイルについて
過酸化ベンゾイルは主にニキビ治療で用いられています。
ニキビ治療で有名なプロアクティブにも含まれています。ただし日本国内で販売されている製品には含まれていません。過酸化ベンゾイルが医薬品成分で市販販売できないためです。
国内ではデュアック配合ゲル・エピデュオゲル・ベピオゲルの3製剤が過酸化ベンゾイルを含有しています。(2020.04現在)

過酸化ベンゾイルの特徴

耐性ができにくい
ニキビの治療に抗生剤が使用されることは珍しくない。
しかしニキビはその治療期間が長くなりがちであるため治療上の問題が起こりやすい。それが耐性の問題です。
ニキビの原因菌(アクネ菌)が抗生剤に慣れてしまい、効果が薄れてしまいます。しかし過酸化ベンゾイルは耐性が付きにくく長期間でも使用しやすいです。

肌が乾燥しやすくなる
過酸化ベンゾイルは殺菌効果が強いため肌を刺激し、肌のバリア機能を低下させて肌を乾燥させてしまいます。それにより逆にニキビができやすくなる、皮脂が増える、赤み・かゆみがでるなどの副作用があります。
すなわち患者本人の体質・患部の状態により合う合わないが大きく経過に影響し、合う人には耐性リスクも低く大変有能な薬ですが合わない人には症状の悪化・強い刺激感と継続は困難です。

効果のあるニキビと効果のないニキビがある
過酸化ベンゾイルが有効なニキビは白・黒・赤ニキビのアクネ菌が原因のニキビであり、黄ニキビなどのアクネ菌以外の菌も原因になっているニキビには効果がない。
理由としては黄ニキビなど重症・化膿したニキビは、アクネ菌だけでなく黄色ブドウ球菌も増殖しているため、過酸化ベンゾイルでは黄色ブドウ球菌を殺菌する効果がないため抗生剤使用が必要になります。

関連情報

患者の副作用歴の表現の仕方は様々である。
今回のケースのように成分が特定できる場合であればチェックも行いやすいが、状況によっては見逃してしまう恐れがある。
そのため問診票の記載、定期的な副作用歴更新、鑑査、投薬時の確認がとても重要になる。またレセコンではベピオゲルで以前副作用歴があると記録していても同種同効薬、副作用歴ある為の警告・アラートが表示されない場合があるの(外用薬では反応がない時がある)で機械に丸投げの鑑査では不十分であることを念頭において鑑査を行いましょう。

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