新人薬剤師の処方鑑査と服薬指導7【循環器01】

Medicine

今回の処方鑑査のポイント【循環器01】

 今回の処方鑑査POINT 

イグザレルトとクラリスの併用について

併用注意について

1 イグザレルトとクラリスの併用について
イグザレルトはCYP3A4で代謝され、P-糖タンパクで排出される薬剤であり、なおかつクラリスはCYP3A4 及びP-糖タンパクを阻害する薬剤ですので薬物相互作用を生じてしまいます。
イグザレルトの添付文書によるとクラリスがCYP3A4 及びP-糖タンパクを阻害することによりイグザレルトのクリアランスが減少し、血中濃度上昇による作用増強等の可能性があるとの記載がある。ではどのように対応すべきなのか?
イグザレルトの適応症により推奨される対応方法が異なるため注意が必要です。
今回のケースは心房細動で治療継続中のため(2)に該当します。

(1)深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間
治療上やむを得ないと判断された場合を除き、クラリスとの併用を避けるとのこと。

(2)非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、並びに深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症患者における初期3週間治療後の再発抑制
イグザレルト10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、イグザレルトの投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。

2 併用注意について
イグザレルトとクラリスについては併用禁忌ではなく、併用注意に該当する。
一般的な併用注意の場合、服薬指導の際に患者説明をすることで対応するケースが多い。

しかし本ケースは併用注意の中でも、用量・用法の指示が記載されている。
したがって医師に疑義照会をする必要がある。その際、イグザレルトを10mgに減量するのか、クラリスに代わる抗生剤に変更するのか、代替案を想定できる能力が薬剤師に求められる。
今回はCYP3A4 及びP-糖タンパクでの相互作用が問題になるのため、それらを阻害せず、その他の相互作用も問題がない副鼻腔炎の適応のある抗生剤。
例えばルリッドを想定する能力が必要です。

処方鑑査・服薬指導に使える知識【循環器01】

併用注意の解釈について

併用禁忌については必ず医師に疑義照会をする必要があります。
一方併用注意について、何を基準に処方監査を行い、疑義紹介をしているでしょうか?

例えば、酸化マグネシウムとテトラサイクリン系抗生剤の併用によりマグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害されることでテトラサイクリン系抗生剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあり、同時に服用させないなど注意することとなっています。この場合、服薬指導の際に口頭で説明することで十分に対応可能であると考えられます。

今回のイグザレルトとクラリスの例は併用注意とされているが、クリアランスの減少率、CYPの阻害・誘導率などを考慮すると事実上併用禁忌とも言われることもある。

◯併用注意について
⇨添付文書だけでは不十分。文献等を参考に、併用注意の理由から判断する。

◯相互作用全体について復習する
⇨どんな相互作用があったのか復習することも大切です。簡単にまとめられている本など利用してください。
薬がみえる vol4:イラストがたくさんあってサクッと復習できる
医薬品相互作用ポケットガイド:1500以上の相互作用記載。対処法が書かれており実務でも役に立つ。

出血傾向の具体的な指導

ケガした際の出血以外にも鼻血、血尿、歯茎からの出血、血便などの体の血に関する異変を感じたら、医師に相談しましょう。

手術などの大きな処置を受ける場合以外の歯科治療などでも必ず事前にイグザレルトを飲んでいることを医師・歯科医師に伝えましょう。